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前書き

 わたくしは今、水戸は消滅の危機を迎えていると思っています。その消滅してしまうという意味は、

あの元総務相の増田さんが、

「我が国の全国のおよそ1800ある市町村の半分が、2040年には消滅する」

と発言された対象地域とは、少々意味に違いがあるのですが。

 本県・茨城でも、消滅してしまう可能性のある市町村は多いと言えます。それは必ずしも県北地域ばかりでなく、

本県が農業県であることから、農業が基幹産業である地域はその可能性が非常に高い。なぜなら現在の農業人年齢65歳

以上が過半数の上に、子供が跡を継がない=人口減少地域⇒消滅の流れに置かれていますから。

 それらの地域とは、住民の老齢化による生産人口減少で過疎化が進むからの消滅予想ですが、水戸は他地域ほど人口の

減少予測はされておりません。がしかし水戸は歴史・伝統を維持して、県都・水戸として君臨し続けてまいりました大都市。

 ですからその立場で県内全域に影響を及ぼし、全国に県を代表する都市としてその名を誇ってまいりましたのものが、今その価値観を大きく失くしてしまいましたことで、県都であった・水戸の立場はなくなってしまうとしか思えないのです。

 

 今ここに「県都・水戸が消える日・・・」と題して出筆することになりましたのも、茨城県の県庁所在地として君臨した勢いはもはやなく、将来の見通しも立てぬままの現在を直視しますと、わたくしには近い将来水戸市は、長く続きました県都としての役目を、終えてしまうとしか思えないのです。

 その県都・水戸市の消滅を認識すると同時に、なんとかその復興の策はないものかと、そうなってしまった県都・水戸の原因を分析し、さらにその現状を逆手にとって、県都・水戸市復活のシナリオ作りにまで手を伸ばすことになりました。

 その詳細は、本書最終章にてご紹介しますので、ぜひ最後までお読み頂くようをお願い致します。本書は県都・水戸市消滅の危機状態を精査して、そのデータを基に、水戸市復活策を併せてご提案する内容。ですから現在県内行政業務に関与される方々、また地方地域に暮らし、その将来に不安を感じる皆様にとって、自地域復興の想いを持って頂きたいのです。

 そう思う立場の者から、本書が皆様にとって自地域の将来のことを考えるきっかけにして頂ければ、本書出筆の価値はあったとも思えます。自分を思い、家族を思って保険に入る方は多くても、今住む地域の将来を心配なさる方は少ない?それはこの問題を避けて通ろうとしたら、地域によってはその地で住めなくなってしまうかもしれません。特に子を持つ親御さんにとりましては、お子さんの将来に大きく影響する問題になるかもしれないのです。なぜなら地域消滅の危機とは、県内全域、全国各地で起こります、わが国全体の問題だからなのです。

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